獄中へブタ・エッセイその1

部屋を掃除したら出てきました。何と記してあるか分からないと思いますが、

これは、獄中にいた友人への手紙です。

一年以上前にワープロで下書きしたもので、何枚か刷ったヤツをそのままうっちゃっていたのでしょう。

親に見つからないでよかった。内容は当「最低マガジン」にふさわしいものです。

信じる信じないは各人に任せるとします。言っておきますが、これは 「ネタ」ではありません。



牢屋にいる友人に、みなさんはどういった手紙をお書きでしょうか。反省を促す文、不幸の手紙、自費出版のご案内、

いろいろあるでしょうが、どうやら差し障りのない近況報告がベストなようです。「明けない夜はねえぜ」とか、

ごっつい励ましでは、かえって相手を落ち込ませるようです。僕の場合はひとまず、下記のようなものでした。

なんとか笑わせよう、なごやかな気持ちにさせようと思案を重ねましたが、

結果、変質者の怪奇文書のようになってしまいました。全文掲載します。

メチャクチャな文章だったので、ちょっと手直ししましたが、内容はまったく変わりありません。

当然、名前はすべて仮名です。まあ、前半は普通ですが、いやあ、ひどい手紙だ。


ゴケ助へ。

いかがですか。こちらは相変わらず、みなさん貧乏です。生活費が足りないの で、今度こちらに手紙を送るときは

四千万円くらい入れといてください。

こないだ銭田、骨川と集ったのですが、スト2大会、将棋、高橋名人の冒険島 (注・地元ではファミコン、スーファミ以外やりません)

などをやり、どうしようもない時間を過ごしました。特にスト2は一勝負十円 賭けで闘い、たった十円にもかかわらず、

それぞれ負けるたび本気でキレていました。その後、B小学校でキャッチボー ルをしたり、棒を振り回したりしていました。

夜、チャラ坊とNを交えて居酒屋でダラダラしたが、お開きの際、パーキング で骨川と「ジャッキーチェンごっこ」をやりました。

ボコボコにされましたが痛みはありません。「アンタ打たれ強いな。知らな かった」と彼は感心していましたが、それもそのはず、

酒でベロベロに酔っ払っていたので痛みを感じるわけが無い。あくる日、身体 がバラバラになっていましたが、それはここだけの

話にしてください。私もいきがりたいからです。今現在も身体が痛い。チャラ 坊も骨川と組み手をやり、やはりボコボコにされ、

「ぎゃあああ腕が折れた、もう現場に行けねえ」と絶叫し、顔を真っ赤にさせ 地ベタをのたうちまわっていました。

私もドサクサにまぎれ、チャラ坊の顔を横から蹴ってやりたかったのですが、 その前に彼からグッチのネクタイを貰っていたので

なんとか堪えました。それは箱入り、証明書つきの、まったくの新品でした。

「Dくん、コレあげますよ。俺、スーツ着ないっすから」

「分かった。いいのかい。こんな高そうな物を。ありがとう。大事に使わせて もらうよ」

明日、質屋に行って売っぱらおうと思っています。売った銭で味噌ラーメンを 食います。

最近、「おなら考」という本を買いました。百円でした。貧乏。

屁で爆死した人間が実際いたそうです。盲腸の手術中、医師の使用する電気メ スで患者の腸にたまった

ガスが爆発、患者は死亡。他に「一発の屁で村が全滅」など、読み応えのある 本です。次回、差し入れ

したいと思います。屁をもう少し続けますと、これは別の本ですが、「宇治の 名物・ほたる踊り」という芸が

あるそうです。まあ狂言とかマニアックな伝統芸能の類なのでしょうが、これ が実に素晴らしい。

まず全裸になって全身に黒い墨 を塗る。そして火を灯したロウソクを尻に突っ込み、舞台上で

狂ったニワトリのように踊りまくるのです。動きは徐々に鈍くなり、最後は屁 でロウソクの灯りを消します。

つまり、元気だったホタルが次第に弱まり死に至る、ということを表現してい るようです。

しかしこの間の面会は(注2・手紙以前に面会しています。すごく細かい規 則!)緊張しました。

なぜならゴケ助の背後にいる看守が終始、目を光らせていたからです。看守、 接客がなってねえよ。

せっかくのカウンター席なのに、カクテルも出さねえ。教育・指導しておいて ください。(終劇)


以上ですが、なんというか、普通のような気がしてきました。当時の気持ちがぶり返したのだろうか。

後半、延々と屁について述べているところがポイントでしょうか。実は、手紙はもう一通あります。

いま、それを記録したフロッピーディスクを探しているのですが、見つかり次第発表します。

最初から終わりまで、ホームレスについて熱く語っていたことだけは覚えています。

そして。

こちらの「手紙」はひどく残念ですが。

我が家は五年前、謎のストーカーに狙われたことがあるのですが、

残念ながら手紙は親父によって破棄されてしまいました。

事の顛末と、数度にわたって送られてきた手紙の内容を、思い出せる限り、

誇張することなく、記していきます。顔も名前も分からないネット社会だからこそ、なおさら嘘・誇張はいけないと

思っています。

もっと凄まじい体験をした人はいくらでもいるでしょうが・・・「最低マガジン」の下の項目に追記しておきました。



その2・「A」のススメ

思ったより「1」の手紙が長かったので、ここは四秒で終わらせます。

ドラえもんの声の変更は、国民投票で決めるべきだった。

いまだに本気で怒っています。郵政民営化より重要だったのでは。

ドラえもんは世界の宝です。一世代の安易な考えで声を変えるべきではなかった。

ちなみに。

ドラえもんに最終回があることを知らない人がいたら、ぜひコミックス6巻を読んで下さい。

感動どころじゃない、胸が張り裂けます。大人ならなおさらです。

ジャンアンとのファイナル・バトルです。

オバQにも真の最終回があります。こちらも涙ナシでは見れない内容です。

正太がサラリーマンになった頃にオバQと再会し、何日か泊めるのですが・・・。

藤子不二雄Aの短編集で読むことができます。「劇画・オバQ」というタイトルです。

なお、号泣確実映画の紹介は、私の姉妹ショボ・サイト「憂国・日本妖怪図鑑」で チェックしてください。

「ニューシネマ・パラダイス」や「ショーシャンクの空に」といった定番の作品は載せていません。

では、こんなパソ子スキル・ゼロ太郎のサイトに寄ってくれて、本当にありがとうございました。

トッ プに戻って人生やり直したい

以上いつものように、過度にデフォルメされたスラム街から、皆様と同じように提供いたしました。

亀寝